コバラミン(Cobalamin)とは

  • ビタミンB12類の別名。
  • 水溶性ビタミンの一つ。
  • 熱に安定する。
  • ビタミンB12は広義はコバラミン、狭義はシアノコバラミンを指す。
  • 動物性たんぱく質と結合して存在する。

コバラミンには次の物質がある

  • シアノコバラミン(ビタミンB12)
  • ヒドロキソコバラミン(OHCbl)
  • メチルコバラミン(MeB12)
  • アデノシルコバラミン(コバマミド)
  • このうち、シアノコバラミンが最も安定、扱いやすい。

シアノコバラミン(Cyanocobalamin)とは

  • 代表的なコバラミン(ビタミンB12)の一種、水溶性ビタミンに分類される人工産物。
  • 化学式:C63H88O14N14PCo
  • 分子量:1355.4 g/mol
  • 色は赤かピンクなため赤いビタミンとも呼ばれる。
  • 体内には存在しない。
  • 体内でメチルコバラミン・アデノシルコバラミンに変換されてから代謝に使われる。

働き

  • アミノ酸・脂肪酸の代謝
  • 葉酸の生合成

用途

  • 眼精疲労の治療薬として配合されている。
  • 末梢神経障害・巨赤芽球性貧血の治療に用いられる。

ヒドロキソコバラミン(Hydroxocobalamin)とは

  • 天然の形のビタミンB12の一つ。
  • 赤色を呈する。
  • 体内で有用なビタミンB12補酵素に変換できる。

効能・用途

  • 注射液として製造され、次の病気の治療・予防に利用されている。
  • ビタミンB欠乏症
  • シアン中毒
  • 巨赤芽球性貧血
  • 広節裂頭条虫症
  • 悪性貧血に伴う神経障害
  • 吸収不全症候群

メチルコバラミン(Mecobalamin)とは

  • ビタミンB12の一つの形態である。
  • ビタミンB12補酵素型の一つ。
  • 天然の有機金属結合である。
  • ビタミンB12の活性をもつ化合物の一つ。
  • 容易に代謝に利用されるため活性型と呼ばれる。

用途・効能

  • 末梢神経障害の治療
  • 糖尿病性神経障害の治療
  • 筋萎縮性側索硬化症の初期治療

アデノシルコバラミン(Adenosylcobalamin)とは

  • メチルマロニルCoAムターゼ(MCM)の補因子として利用される。
  • 体内で働くために活性型ビタミンB12に転換される必要性がある。
  • 神経再生を促進する。

補酵素型ビタミンB12剤としての効能・効果

  • ビタミンB12欠乏症の予防・治療
  • 巨赤芽球性貧血
  • 広節裂頭条虫症
  • 悪性貧血に伴う神経障害
  • 吸収不全症候群