ビタミンB12
- 英語:vitamin B12
- 水溶性ビタミン
- 通称:脳のビタミン
- コバルト、ヒドロキソコバラミン、アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、シアノコバラミン、スルフィトコバラミンの総称
働き・効果
- 体内のすべてのたんぱく質を合成・修復
- エネルギー代謝に関与
- アミノ酸の代謝に必要
- 免疫を正常にする働き
- 新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する
- 神経細胞内の脂質・蛋白質・核酸の合成を助ける
- 神経伝達物質を作り、伝達を円滑にする
- 末梢神経や中枢神経の機能の維持・改善
- 記憶力や精神のバランスにも関与
- 集中力を高める、学習能力向上、不登校児にも改善効果
- 神経系が原因の腰痛や手足のしびれの治療・改善
- 睡眠のリズムを整え、不眠症や時差ボケの解消
- 脳血管や脳神経の再生・修復
- 悪性貧血を防ぐ
- 肝臓機能維持強化
- 血流をよくする、動脈硬化、心臓病を防ぐ
- パニック障害、認知症、アルツハイマー病、自律神経失調改善
- 脳梗塞、隠れ脳梗塞、脳溢血、脳血栓の予防
- 高ホモシステイン血症の治療・予防効果
- 肺がんの発症リスク減少効果
- 赤血球の形成、DNAの合成、造血作用
- ビタミンCサプリメントとの併用による癌予防
- 他のビタミンB群と一緒に摂ると効果的
- 葉酸・ビタミンB6との併用による心臓病の治療・予防効果、肺がんの発症リスク減少効果
- 黄卵コリン製剤との併用による痴呆症の治療効果(動物実験)
ビタミンB12の摂取量
推薦量(μg/日) | 男性 | 女性 |
1〜2(歳) | 0.9 | 0.9 |
3〜5(歳) | 1.1 | 1.1 |
6〜7(歳) | 1.4 | 1.4 |
8〜9(歳) | 1.6 | 1.6 |
10〜11(歳) | 1.9 | 1.9 |
12〜14(歳) | 2.4 | 2.4 |
15〜17(歳) | 2.4 | 2.4 |
18〜29(歳) | 2.4 | 2.4 |
30〜49(歳) | 2.4 | 2.4 |
50〜69(歳) | 2.4 | 2.4 |
70以上(歳) | 2.4 | 2.4 |
妊婦 | | +0.4 |
授乳婦 | | +0.8 |
食品・食材
- 植物性食品にはほとんど含まれない
- しじみ
- あかがい
- 味付けのり
- 焼きのり
- すじこ
- 牛肉(レバー)
- あさり
- ほっき貝
- いくら
- はまぐりの佃煮
- 鶏肉(レバー)
- 煮干し
- あんこうのきも
- いわし(丸干)
- あおのり(乾)
- はまぐり
- かき(生)
- 豚肉(レバー)
- たらこ(焼)
- 牛肉(小腸)
- さんま(焼き)
- キャビア
- たらこ(生)
- いわし(油漬)
- さんま(生)
- にしん
- いかの塩辛
- たたみいわし
- いわし(みりん干)
- かつおぶし
- あさりの佃煮
- めざし
- ほたるいか(生)
- しゃこ
- 身欠きにしん
- 牛はつ(心臓)
- さば(水煮缶)
- あゆ(天然/焼)
- しめさば
- ほたて(ひも付)
不足・欠乏
ビタミンB12不足が多く見られる人
- 菜食主義者(ベジタリアン)
- 高齢者など、胃酸分泌の低い人
- 胃、腸切除者
- 小腸における吸収不全者
- スポーツをやる人
- 胃の粘膜に病気のある人
- 慢性胃炎
ビタミンB12の体内濃度を低下させる薬・成分
- アルコール
- 抗生物質
- コバルト照射
- コルヒチン
- コレスチラミン
- H2ブロッカー
- プロトンポンプ阻害薬
- 経口避妊薬
- ニコチン(たばこ)
- AZT薬
- シメチジン
- クロラムフェニコール
症状
- 悪性貧血(頭痛、めまい、吐き気、動悸、息切れ、食欲不振)
- 全身疲労感、倦怠感、慢性疲労、体重減少、睡眠障害、運動失調
- 記憶力低下、認知症、知覚異常、ボケ、集中力の欠如
- 神経障害、感覚異常、うつ病、視力障害
- 時差ボケ、不眠症、精力が衰える
- 下痢、便秘、胃酸減少、胃粘膜萎縮
- 手足のしびれ、膝、腰の痛み、顔面神経痛
- 隠れ脳梗塞、脳卒中、癲癇、心筋梗塞、糖尿病
- ホモシステイン尿症、高ホモシステイン血症
- メチルマロン酸尿症、亜急性脊髄連合変性症
副作用
- 過剰に摂取しても吸収されないため、一般に過剰症になることはない
- 極希にビタミンB12のサプリメントは下痢・抹消血管血栓症・かゆみ・発疹・蕁麻疹・むくみ・過敏症を起こす