ビオチン

  • 英語:biotin
  • ビタミンB群に分類される
  • 水溶性ビタミン
  • 別名:ビタミンB7(Vitamin B7)、ビタミンH
  • 腸内の細菌によって作られる

働き・効果

  • タンパク質の合成
  • 脂肪酸の合成
  • コラーゲンの生成
  • アミノ酸の代謝に関わる
  • ブドウ糖の合成補助
  • 核酸の合成を促す
  • 皮膚の潤いを保ち、健康、美しく保つ
  • 皮膚形成との関わる
  • アトピー性皮膚炎治療
  • 疲労回復、食欲回復、不眠症解消、抜け毛予防
  • 筋肉痛を緩和する
  • 血液をスムーズに循環させる
  • ヒスタミンの元となるヒスチジンを排出
  • 血糖値を下げ、糖尿病予防
  • 掌蹠膿疱症、掌蹠膿疱症性骨関節炎の治療
  • 尋常性乾癬の治療
  • 整腸剤と一緒に摂ると腸内の悪玉菌を抑える働きがある

摂取

  • 腸内細菌によっても合成されるが、微量なため生体を維持できない
  • 食品からの摂取が必要
  • 水に溶けやすく熱に弱いため、煮物などは煮汁も一緒に飲む
  • 赤ちゃんでは、腸内細菌が機能していないため、母乳からの摂取が必要

摂取量

目安量(日/μg)
男性 45
女性 45
妊婦 47
授乳婦 49
1000000μg=1g

ビオチンを含む食品・食材

  • 酵母
  • レバー
  • 鶏肝臓
  • 豚肝臓
  • 牛肝臓
  • バターピーナッツ
  • ひまわりの種(フライ)
  • アーモンド(フライ)
  • 卵黄
  • あおのり(素干)
  • 焼きのり
  • ほしのり
  • まがれい
  • あさり
  • 黒砂糖
  • マスタード
  • 全卵
  • 脱脂粉乳
  • 豆味噌
  • 濃口しょうゆ
  • 乾しいたけ(ゆで)
  • かつお節
  • あんこう(きも)
  • まかじき
  • うなぎ(蒲焼)
  • ししゃも
  • たらこ(生)
  • まいわし
  • カシューナッツ(フライ)
  • ごま(乾)
  • ピータン
  • 卵白
  • 糸引き納豆
  • ゆば(生)
  • 大豆(ゆで)

不足・欠乏

  • 爪が割れやすい
  • 寝付き悪い、筋肉痛、疲労感、運動失調
  • 薄毛、脱毛、白髪
  • 脱漏性湿疹、舌炎、蒼白
  • アトピー性皮膚炎、結膜炎、皮膚や粘膜の灰色退色や落屑
  • 血糖値上昇
  • うつ病、神経障害、緊張低下、知覚過敏
  • 味覚異常、食欲不振、吐き気、けいれん
  • 掌蹠膿疱症(掌蹠膿疱症性骨関節炎)
  • ケト乳酸アシドーシス、有機酸尿
  • 妊娠中にビオチン不足になると赤ちゃんに高い確率で口蓋裂・短肢症などの奇形が発症する
  • ビオチンは、腸内細菌で合成されるので、通常の食生活をしていれば不足することはない

原因

  • 過度の偏食
  • 生卵(卵白)の取りすぎ
  • 抗生物質の服用
  • 睡眠薬の服用
  • 抗けいれん薬の服用
  • 下痢が長く続いた場合
  • ストレス
  • 加齢
  • 喫煙
  • 多量飲酒
  • 食中毒による病原菌の感染
  • 先天的に酵素の働きが悪い
  • 手術で腸の大部分を取った

過剰摂取・副作用

  • ビオチンを多量に摂取しても、尿中に排泄されるため、一般的には過剰症の心配はない
  • 妊娠中に多量のビオチンを摂ると、胎仔の吸収 (妊娠初期の胚死亡) や胎盤、卵巣の委縮がおこる