食物繊維(しょくもつせんい)
- 人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体
- 主に植物性・藻類性・菌類性食物の細胞壁を構成する成分
- 不溶性(ふようせい)食物繊維と水溶性(すいようせい)食物繊維に分けられる
- 第六の栄養素と呼ばれる
- 不溶性食物繊維、成熟した野菜などに含まれ、糸状に長い筋で、ボツボツ、ザラザラしている
- 水溶性食物繊維、ネバネバ、サラサラしている
働き・効果
- 肥満予防
- 歯茎やあごを強くし、歯並びをよくし、虫歯を予防
- 便秘の予防及び改善、便の水分量とかさをふやし、痔疾を予防
- 発ガン物質を薄め、吸着する作用
- 脂質異常予防(コレステロール上昇抑止)動脈硬化予防
- 虫垂炎の予防
- 血糖値上昇抑制、糖尿病予防
- 腸内感染の防御、腸管運動の促進、免疫強化
- 静脈瘤など、静脈異常を予防
- 心臓病予防 憩室疾患の予防
- 血圧低下作用、高血圧を予防
- 「肌は腸の鏡」と言われるように、腸内環境は肌の状態も左右する
- 女性では、脳卒中などの発症が抑えられる
摂取・吸収
- 食物繊維の効果を生かすには、充分な水分が必要
- カルシウムを多く含んだ食材も一緒に摂ると良い
- 摂取カロリー1000kcalに対し10gの食物繊維が必要
食物繊維が足りている証拠(うんちでチェック)
- 色が黄色
- バナナ2本分の量、ほどよいやわらかさ
- 水に浮く
食物繊維の食事摂取基準(g/日)
年齢(才) | 男性 | 女性 |
18 〜29 | 27 | 21 |
30 〜49 | 26 | 20 |
50 〜69 | 24 | 19 |
70以上 | 19 | 15 |
食品・食材
- 野菜は食物繊維が豊富とは限らない
- 色の濃い緑黄色野菜に多く含まれる
- きくらげ(乾)
- せん茶の茶葉
- とうがらし
- ひじき(乾)
- 干ししいたけ(乾)
- あおのり(乾)
- 抹茶(粉)
- カレー粉
- ゆでいんげん豆
- ゆであずき
- ゆでひよこ豆
- おから
- エシャロット
- しその実
- 中国ぐり
- よもぎ
- ゆでえんどう豆
- ゆで紅花いんげん
- しそ
- とんぶり
- ゆでだいず
- ゆずの果皮
- こんぶつくだ煮
- パセリ
- こしあん
- 納豆
- つくし
- 日本ぐり
- 豆みそ
- 麦みそ
- ゆりね
- ひきわり納豆
- うずら豆
- グリンピース
- モロヘイヤ
- にんにく
- あしたば(生)
- 米みそ/甘みそ
- アボカド
不足・欠乏
- 便秘がち、下痢がちになる
- 大腸ガンのリスクが高まる
- 不足状態が長く続くと大腸憩室症など腸の病気、高脂血症や胆石、虚血性心疾患などに
過剰摂取・副作用
- 下痢を起こす場合がある
- カルシウムや鉄などを吸着するため、ミネラル不足になる
- それ自体に香りや味がないため、嗜好性が落ちる
- もともと胃腸が弱い場合、かえって刺激になる
- 腸が詰まる
- 他の食品から摂取した栄養が吸収されず栄養バランスが乱れる
- たっぷりの水分と一緒に摂らないと便は硬くなり便秘が悪化
- 便秘タイプによってガスが溜まる、お腹が張る