鉄
- 英語:iron
- 必須ミネラル
- 7割が赤血球に、2割が肝臓などに貯蔵される
- 肉・魚などに含まれる吸収率の高い「ヘム鉄」とほうれん草などに含まれる吸収率の低い「非ヘム鉄」がある
働き・効果
- 赤血球を生成に関わる
- 貧血防止
- 筋肉を収縮させる
- 酸素を運ぶヘモグロビンの一部で酸素を全身に運ぶ
- エネルギー産生
- 神経伝達
- コラーゲンの合成
- 体内のさまざまな代謝にかかわる
摂取・吸収
- 吸収率では、ヘム鉄が25〜30%、非ヘム鉄は5%
- 小腸で吸収される
- CPP(カゼインホスホペプタイド)を一緒に摂ると、吸収率が上がる
- 酸味のあるお酢、トマト、梅干、果物、ヨーグルト、ワインなどや辛いものは胃に刺激を与え、鉄の吸収に効果的
- 3回の食事でこまめに摂る
- 吸収率の高いヘム鉄を摂る
- 良質のたんぱく質やビタミンCは、鉄の吸収を助ける
- 鉄の吸収を妨げる(コーヒー、お茶、食物繊維、カルシウム)避けて摂る
- 非ヘム鉄にはヘム鉄と一緒に摂る
- 赤ちゃんは体内に十分な鉄がないため、鉄が含まれるミルクが必要
- レバーはヘム鉄が多く吸収率も高いが食べすぎには注意
- 卵・牛乳・チーズのタンパク質は、鉄の吸収を妨げる
摂取量
男性(mg/日) |
年齢(才) | 必要量 | 推奨量 | 上限量 |
6〜11(月) | 3.5 | 5.0 | - |
1〜2 | 3.0 | 4.0 | 25 |
3〜5 | 4.0 | 5.5 | 25 |
6〜7 | 4.5 | 6.5 | 30 |
8〜9 | 6.0 | 8.5 | 35 |
10〜11 | 7.0 | 10.0 | 35 |
12〜14 | 8.0 | 11.0 | 50 |
15〜17 | 8.0 | 9.5 | 45 |
18〜29 | 6.0 | 7.0 | 50 |
30〜49 | 6.5 | 7.5 | 55 |
50〜69 | 6.0 | 7.5 | 50 |
70以上 | 6.0 | 7.0 | 50 |
女性(mg/日) |
年齢(才) | 月経なし | 月経あり | 上限量 |
6〜11 (月) | 4.5 | - | - |
1〜2 | 4.5 | - | 20 |
3〜5 | 5.5 | - | 25 |
6〜7 | 6.5 | - | 30 |
8〜9 | 8 | - | 35 |
10〜11 | 9.5 | 13.5 | 35 |
12〜14 | 10 | 14 | 45 |
15〜17 | 7 | 10.5 | 40 |
18〜29 | 6 | 10.5 | 40 |
30〜49 | 6.5 | 11 | 40 |
50〜69 | 6.5 | 11 | 45 |
70以上 | 6 | - | 40 |
妊婦初期 | +2.5 |
妊婦中・末期 | +15 |
授乳婦 | +2.5 |
鉄を含む食品
- 豚肉・鶏肉・牛肉のレバー
- 牛肉(センマイ)、鶏肉(はつ)、コンビーフ缶、豚肉(はつ)、かも
- ほや、あゆ(焼)、うなぎの肝、いわし(丸干)、ゆば(生)
- はまぐりの佃煮、あかがい、しじみ、ほっき貝、あさり、みる貝
- パセリ、豆みそ、つまみ菜(生)
- のりのつくだ煮、がんもどき
- たまごの卵黄、納豆、米みそ、油揚げ
不足・欠乏
- 軽い潜在性鉄欠乏症状態でもうつ病と関わる
- 一時的な鉄不足は、すぐにその兆候が出ることはない
- 不足状態が長く続くと貯蔵鉄が枯渇し、貧血やその他の欠乏症状が表れる
- 貧血、頭痛、頭重、風邪、便秘、下痢、食欲不振
- 立ちくらみ、めまい、耳鳴りがする
- 筋力低下、 疲れやすい、動悸や息切れがする
- 思考低下、集中力低下、イライラ、うつ、神経過敏
- 歯茎の出血、体にアザがよくできる、吐き気がする、爪の異常
- 顔色が悪い、寝起きが悪い、髪が抜けやすい、のどの不快感
- 肩こり、腰痛、背部痛、胸が痛む
- まぶたのうらが白い、湿疹ができやすい、むくみがある
- くしゃみ、鼻水、鼻づまり
- 口内炎、口角、口唇炎、舌のしびれと赤み
- 氷が食べたくなる
- 手足に虫が這っているような感覚がある
- 土を食べたくなってしまう
過剰摂取・副作用
- 普通の食事では過剰症にならない
- サプリメントは、摂取目安量以上を長期服用すると過剰症の可能性がある
- 慢性アルコール中毒の人は鉄過剰症を起こす場合がある
- 過剰症としては皮膚の色素沈着・肝障害・亜鉛やマンガンなど他のミネラルの吸収阻害などがある