トリプトファン

  • 英語:Tryptophan
  • 必須アミノ酸の一つ
  • 神経伝達物質の原料
  • 肝臓・腎臓で分解され、エネルギー源として利用される

働き・効果

  • 肝臓、腎臓で分解されエネルギー源となる
  • 鎮痛効果
  • 精神安定効果
  • うつ状態の改善
  • 不眠症を解消する
  • アンチエイジング効果
  • 肥満の改善
  • 集中力、記憶力を高める
  • 月経前症候群(PMS)のイライラや体調不良を改善する
  • 免疫系に働きかけ、コレステロール値や血圧を調整する
  • 性機能を高め、更年期障害の症状を改善する
  • ナイアシンの原料となる
  • がんを予防する

ドーパミン・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質をつくる(その働き)

  • 気分を高揚させ、やる気が出る
  • 不眠症やうつ病治療への効果がある
  • 成長ホルモンの分泌を促進し、肌の老化防止に役立つ
  • 病気への免疫向上
  • 脂肪燃焼を促す
  • 脳や行動障害の治療に役立つ

セロトニンの原料となる(セロトニンの働き)

  • 気分を高揚させ、幸福感をもたらす
  • 興奮や不快感を鎮めて精神を安定させる
  • 寝つきを良くする睡眠効果がある
  • うつ病の改善に有効
  • 腸管の運動を促進する
  • 心を穏やかにする
  • 鎮痛・精神安定作用
  • メラトニンというホルモンの原料となる

セロトニンはさらにホルモンのメラトニンの原料となる(メラトニンの働き)

  • 老化を防止し、若返り効果がある
  • 時差ボケの解消
  • がんの予防に有効
  • 心臓病、アルコール依存症の緩和に効果がある

摂取・吸収

  • 植物性タンパク質が脳内でセロトニンになる確率が高い
  • インスリンはトリプトファンを脳に移動しやすくする
  • ビタミンB群と一緒に摂取することで利用効率が高くなる
  • 必須アミノ酸なため、毎日の摂取が必要
  • 食事以外での摂取はリスクが高いため、特に注意が必要
  • 腎臓疾患、肝臓疾患、白血球関連疾患の場合は摂取を避ける必要がある
  • 妊娠中、授乳中の女性は摂取を避ける必要がある
  • パーキンソン病治療薬・頭痛薬・疼痛緩和薬・不眠症薬との併用は副作用がある
  • 抗うつ薬・抗精神薬・抗てんかん薬との併用は深刻な副作用がある
  • たんぱく質を含まない高炭水化物の摂取で、トリプトファンは脳に運ばれる量が増える
  • 炭水化物を含まない高たんぱく質の摂取で、トリプトファンは脳に運ばれる量が減る

必要量・上限量

  • 子供の場合、体重1kg当たり1mg程度
  • 成人の場合、体重1kg当たり2mg程度
  • うつ病の改善は、1000 〜 1500 mg
  • 不眠症の改善は、300 〜 600 mg
  • 注意欠陥症の改善は、300 〜 500 mg
  • 白内障予防は、200 〜 400 mg
  • 肥満の改善は、200 〜 400 mg
  • 一日の摂取上限量は、6000 mg

不足・欠乏

  • うつ状態
  • 不安症、恐怖症
  • 多動
  • 不眠症、催眠・睡眠障害
  • 痛み
  • 抗ストレス能力が低下する
  • 消化不良
  • ペラグラ
  • 情緒不安、イライラ
  • 神経性の気分の落ち込み

食品

  • 牛レバー、豚レバー、鶏レバー、赤身肉
  • 卵黄、卵 
  • 小麦胚芽、そば
  • 牛乳、チーズ、ヨーグルト
  • バナナ、チョコレート
  • 大豆、高野豆腐、きな粉、納豆、豆乳
  • アーモンド、ピーナツ、落下生、カボチャの種、ひまわりの種、ゴマ
  • かつお、まぐろ、たらこ、すじこ
  • パインアップル、アボカド
  • 燕麦、ドリアン、マンゴー、ナツメヤシ
  • オートミール、スパゲティー、クリーム

過剰摂取・副作用

  • 肝硬変
  • 脳の機能が低下する
  • 昏睡状態に陥る
  • 六十歳以上の場合は、血圧が上昇する
  • 希に攻撃的になることがある