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ラーメンは体に悪いのか。

ラーメンは日本人にとって欠かせない食文化であり、多くの人に愛されているが、どうも一般的には「体に悪い」というイメージがあります。美味いものは身体か財布のどちらかに悪いっていうのですし。果してほんとに体に悪いのでしょうか。今回はじっくり検証してみましょう。ついてにインスタントラーメンも一緒に検証。

アメリカの栄養学専門誌に掲載された「インスタントラーメンは身体に悪い」という研究結果が掲載された。この研究では韓国の成人男女10711人を対象に、2年間にわたり調査したものだ。これによれば週2回以上食べることは、心臓病、糖尿病、脳卒中の増加につながる可能性があるという。またそのようなペースでインスタントラーメンを食べている女性の68%はメタボリックシンドロームである可能性があったという。特に閉経後の女性は、インスタントラーメンに含まれる炭水化物、ナトリウム、脂肪の影響をより受けやすいようだとしている。

と世界でも同じようなイメージを持たれています。極めて個人的ですが、私の場合インスタントラーメンなどを食べると、胸焼けが酷くなることがあります。では問題となっているポイントについて考えてみます。

ラーメンやインスタントラーメンには多くの塩分が含まれている

人間の生命活動には塩が欠かせないことは良く知られていますが、取りすぎは帰って寿命を縮めてしまいます。具体的には、ガン、高血圧などの生活習慣病の要因になったり、腎臓へ負担をかけて体のむくみを起こします。ラーメンやインスタントラーメンに含まれている塩分は成人に必要な1日の塩分量を遥かに越えていると言われています。

これは醤油や味噌、豚骨などの味にはほとんど関係ありません。インスタントラーメンの場合は、スープだけではなく麺にも十分塩分は入っています。これは麺の製造過程でかんすい(アルカリ塩水溶液)という物質を添加するからです。塩分を多く入れているのは、味にインパクトを与えるためです。それにインスタントラーメンの場合は保存期間が伸びるのです。

ラーメンやインスタントラーメンには炭水化物がほとんどを占めている

ラーメンの麺は炭水化物(糖質)でできています。この炭水化物がラーメンの主な要素を占めています。炭水化物は血糖を上げます。血糖が上がった結果、糖尿病を引き起こしやすくなり、血圧が上がります。血糖値が上がった結果、血がドロドロになり、動脈硬化を起こしやすくなると言われています。

また、炭水化物はダイエットの敵とされていて、肥満の原因のひとつとされています。

ラーメンやインスタントラーメンには脂質が多く含まれている

脂肪分の多い食事は血液中の脂肪値を上げ、「脂質異常症(高脂血症)」の原因となり、動脈硬化や脂肪肝に繋がるとされています。もちろん、ダイエットにも脂質がよくないとされています。また、メタボお腹は『脂質』が大きな要因です。

ちなみに、豚骨ラーメンなどは特に脂肪分が多いのです。意外と知られていないのですがスープ以外に麺にも少量ですが脂肪分が含まれています。 

しかしこの点にでは、一般的な豚骨ラーメンに含まれている脂質の量は成人男性の1日に摂取する脂質の量より少ないとされています。これはラーメンの脂質が他の食べ物に比べて異常に高いという訳では無いことを表しています。

インスタントラーメンに関しては、発売されて間もない時期には、使用されていた油の質に若干問題があったが現在は品質には問題ないようです。インスタントラーメン自体は油で挙げた麺なため、チャーハンやコロッケと同じような食べ物と思います。さらに時間が経つと油が酸化してしまう問題もあるようです。過酸化脂質は有害で、一定量をネズミなどに与えると死んでしまいます。人の場合は胃痛や下痢を起こす場合があります。麺を油であげていない、ノンフライ麺もあるので過酸化脂質ができにくいです。ただそういうカップ麺も添加物が多いのでやはりおすすめできません。

インスタントラーメンには多くの添加物が含まれている

インスタントラーメンは美味しさ・見た目・保存性などを追求した化学調味料、添加物や保存料多く配合されています。10種類以上を使っている場合が多いですが、特に調味料のL-グルタミン酸Na(うま調味料、いわゆる味の素)が大量に使われている。これを摂取すると人によっては顔から腕にかけて熱くなったり、しびれを感じることがあります。ラーメンの独特のにおいや色を出すために使われる「かんすい」は麺を食べた際に口の中に違和感を覚えたり、胸やけを起こすことがあります。色を濃くおいしそうにみせるカラメル色素の中には発がん性もしくは疑いのある物質があるそうです。

主に使われているものとしては加工でんぷん、かんすい、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重曹、増粘多糖類、アルギン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリム、ペクチン、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、カラメル色素、ベニコウジ色素、香辛料抽出物などがあります。中には体内で消化するのに3日かかるようなものがあり、毎日食べてしまうとどんどん蓄積されてしまいます。

しかし現在では添加物に関して厳格なルール・規定があり、大量摂取できないようになっています。実際には有害だと言えるほど含有されていないといえます。

一方、グルタミン酸ナトリムの安全性に関する研究成果をもとに国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)がグルタミン酸ナトリムの安全性について評価を行い、使用量の制限はなく、大人から幼児にいたるまでどなたでも(妊娠している方、赤ちゃんにも)安心してご使用いただけ、安全であると評価しています。

また食器として使用できる容器(カップ状の耐熱耐水容器等)は紙以外のものの場合は熱湯で溶けてよろしくない物質が出ることがあります。特に発砲スチロールの容器は、熱いお湯を注ぐと発がん性のあるスチレンが微量ですが熔け出します。

ラーメンはカロリーが高い!?

ラーメンは素材も具材も千差万別ですが、一般的に醤油ラーメンは約500kcal、豚骨ラーメンは約550kcal、コッテリを売りにしているお店では1杯800kcal、あるいはそれ以上のカロリーになるラーメンもあります。背脂系ラーメンは約800kcal、これだけで、成人男性が一日に摂取すべき総カロリー量の半分に到達してしまいます。

ラーメンやインスタントラーメンの栄養は著しい偏りがある!?

栄養素としてはビタミン、ミネラル類、食物繊維が足りません。つまり、ラーメンには野菜が不足しているということです。そのためラーメンの食べ過ぎは、ビタミン、ミネラル不足を起こし、便秘などの原因となります。毎日が野菜不足塩分の多いインスタントラーメンばかりだと不健康です。肉ばかりお茶漬けばかりでも同じですが。

もちろん、インスタントラーメンを食べている人の多くが、料理をせずに、食事時間も不規則で、寝不足で、運動もせずゲームや仕事に没頭したり、テレビを見ながらお菓子をずっと食べていたり、健康に悪い生活習慣をしていることを連想させてしまう一面も否めないのです。イメージというのはほんと怖いです。

事実か定かではありませんが、友達の若い男の子がカップラーメンを食べるのを止めてみたところ、風邪を引かなくなりましたと。

これら一連の”苦情”から、インスタントラーメンのメーカーは近年ビタミンB1、ビタミンB2などを配合し栄養強化を図っています。また一部のラーメン屋さんでは野菜たっぷりのメニューを出したり、麺をこんにゃくで作ったりと「ヘルシラーメン」を展開させています。しかし、ヘルシなラーメンはおいしくないのでは?

ラーメンの健康的な食べ方

まずは食べる回数を減らしましょう。そして食べる量も減らしましょう。大盛などは注文しないことです。適度に間隔を置いて、おいしく食べましょう。

塩分と脂質が過多なスープは残しましょう。スープを捨てると、摂取量としてはかなり減ります。味の調整が可能であれば、味は薄め、油は少なめにするなどの工夫をするとより良いでしょう。インスタントラーメンは液体スープや粉末スープが後入れの場合が多く、それを半分しか入れないなどしてうまく塩分をコントロールしましょう。ラーメンに塩分を除けばそこまで悪くないはずです。スープ飲まないのってすぐ慣れるんです。食後の満足感は飲んでた頃と全然変わりません。

可能な限り野菜をたっぷり入れて食べましょう。モヤシ、ネギ、キャベツ、ほうれん草があったらトッピングしちゃいましょう。ネギに多く含まれるアリシンは、豚に多く含まれるビタミンB1の吸収をサポートしてくれます。ラーメンは塩分が多いですから、塩分排出効果のあるカリウムを含んだキャベツ、ほうれん草もいいです。野菜ジュース一本でも一緒にとれば大分マシになります。

食事はバランスよくというのが基本です。炭水化物、脂質が多い食品ですのでタンパク質やビタミンを取れる食品と併せて食べることがよいと考えられます。食材でいうと、肉や魚、豆腐や納豆、野菜を一緒に摂るといいですね。卵やチャーシューも欲しいかもしれませんが、それらは炭水化物の摂り過ぎに繋がりますので、できるだけ控えることを心がけましょう。

インスタントラーメンを食べる時は、袋入りのラーメンに野菜などをたっぷり入れて作ります。麺を茹でる前に熱湯で麺の油を抜く、麺とスープのお湯を別々にします。もちろん一日のなかでラーメン以外の食事として、野菜を中心とした食事を取ることも大切です。

最近日清食品からお腹の調子を整えるサイリウムヌードルが発売されています。他には、砂糖、動物性不使用、遺伝子組み換え原料不使用、ノンフライ麺使用、国内産小麦100%、無かんすいなども開発されています。こちらの商品を試してみてもいいでしょう。

ラーメンを食べる心構え

今食べているものが3~6か月後の自分の体になるらしいので、いっぱい食べている人は早いうちに軌道修正すれば何とかなりそうな気がします。極度に依存せず他の食品もバランス良く摂取すれば禁忌とする必要はないですが、個々体質に違いがあるので、特にグルタミン酸に敏感に反応する人は気を付けて摂取したほうがいいでしょう。

結論としまして、常食しているのならともかく,何日かに一度食べるくらいで有害になるような物質は含まれていないでしょう。非常食として置いておくのはありだと思います。まったく気にしないのも問題だが、気にしすぎるとストレスがたまるだけです。