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エアコンを使うとなぜ乾燥するのか?理由と対策を解説

エアコンを毎日、一日24時間ずっと使っていると、部屋が非常に乾燥してしまい、のどが痛い、肌がパサパサ、目がしばしば、風邪が引きやすくなるなど弊害が多いです。

私はパソコンを毎日使っているので、最初はそのせいで目がすぐにしばしばするのかなと思っていました。仕事にならなくて、目薬をさしてもぜんぜんよくならなかったです。しかし、パソコンを消して寝ようとしたときでも目がしばしばするので、「あ、エアコンのせいだ」と気づいてエアコンを消して濡れたタオルを部屋で乾してから5時間くらい経つと治りました。

そこで、なぜエアコンを使うと部屋が乾燥するのか?その乾燥をどう対策するか?を解説します。

乾燥の原因は温度が上がるからではありませんよ!

なぜエアコンを使うと乾燥するのかを検索してみると、不思議なことに「温度が上がるから、湿度が下がる」が原因であると書いているが、そんなことはありません、全く。そう書いている人はエアコンの仕組みを知らないからです。あるいはエアコンを売っている人です。

部屋の温度が上がることが原因であると主張する人が根拠としているのは【相対湿度】です。「相対」と言っているので、当然「絶対湿度」も存在します。解説をしますと空気の中に水分が含まれていますが、その空気と水分の比率を「湿度」といいます。

空気は温度が高くなるに連れ、取り込める水分量が多くなります。この水分を含める「能力」と実際含んでいる水分の比率が「相対湿度」といいます。これに対し、空気の質量(kg)と含まれている水分の質量(kg)の比率が「絶対湿度」です。

よって「相対湿度」は温度の変化に左右され、温度が上がれば湿度が下がり、温度が下がれば湿度が上がります。「間違った解説」ではこれを根拠にエアコンの暖房を使うと部屋の温度が上がり湿度が下がるから、乾燥するのだといいます。

しかし、それはあくまで数式による数字のトリックで、今回のケースには応用してはいけません。【絶対湿度】であるように温度によって変化することがない空気中に実際含まれている水分が今回のポイントです。というのは、部屋が乾燥しているかどうかは数値の問題ではなく、体感の問題です。数値より、実際目がしばしばするかどうかが焦点であります。数値では湿度がいくら下がっても実際の含水量が変わらなければ全く問題がありません。逆に湿度が高くても目がしばしばするのも意味がありません。

ではなぜ部屋が乾燥したかというと、空気中の水分が実際に減ったからです。その理由は後程説明します。

部屋が乾燥するのは暖房だけではなく、冷房でも乾燥しますよ。冷房は主に除湿が必要な程湿度が高い夏に使いますので、それほど乾燥しません。冒頭で書いた毎日24時間エアコンを使っているのは狭い仕事部屋で真夏です。なので「冷房でも乾燥する」を身を以て体験しています。これは「温度が上がるから」説と真逆です。

灯油やガスによるストーブやファンヒーターが水蒸気を発生させるため乾燥しないのは事実ですが「温度の上昇による乾燥」の説明にはなりません。今や電気ストープを使う人が多いのはその方があまり乾燥しないからです。これに関しても「温度の上昇による乾燥」説では説明が付きません。

乾燥の本当の理由はほかでもない、エアコンです

乾燥するのは実際空気中の水分が減るからと書きました。では空気中の水分をどうやって奪ったのがを説明します。エアコンは主に三つの部分で構成されていて、室内機、室外機と両者をつながる太いパイプです。そして三者の中を行き来する冷媒が熱を運んでくるか運び出すかで暖房や冷房を実現しています。

その太いパイプの中に冷媒を運ぶ以外に、室内機の中に溜まった水を出す管も一本入っています。その溜まった水はどこから来たかというと部屋の空気の中の水分です。エアコンは室外から空気を取り入れるのではなく、部屋の中の空気を一度室内機に取り入れて、から冷媒によって、温めるか冷やすかしてからもう一度部屋中に戻しています。この過程で空気中の水分が取られ、室内機のトレーに溜まって、外に排出しています。

もっと詳しく解説すると、室内機の中に常に激しい温度差に晒されるフィルターなどが存在して、その温度差でいっぱい結露しているのだ。。。

こうして、エアコンをつけると空気中の水分がどんどん失い、部屋が乾燥してしまうのです。

エアコンによる乾燥の対策

乾燥するなら、加湿すればよいです。使わないもいいですが、熱中症や仕事の効率などの面から考えれば多少使った方が合理的です。いくつか加湿する方法を紹介します。加湿器を使うのが一番効果的です。

ほかには水の蒸発を利用する方法ながあります。たとえば、「洗濯物を室内に干す」「洗面器などに水を入れて置いておく」「鍋をするなどして水を沸かす」「風呂場のドアを開けておく」「床を水拭きする」「水槽を置き、金魚を飼う」「観葉植物を置く」など。

あるいは直接霧吹きで水を部屋中にまきます。のどや顔をピンポイントに保護したいなら、マスクをしればいいです。最後はもうメーカーさんが加湿機能付きのエアコンを開発すればいいのです。日本の技術力でできないことはないでしょう。