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社長輩出率の法則

「社長輩出率都道府県別ランキング」についていろいろと調べたところ、おもしろいことに気づきました。いわゆる「法則」というものです。ちょっと解説したいと思います。

この「法則」に関しては、自分なりに分析した結果ですので、興味本位でお読みください。「信じるか信じないかはあなた次第」という感じで、、、

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因みに、単純に社長の出身地を都道府県別にみた場合、最多は東京都、続いて北海道、大阪府、愛知県、神奈川県の順と人口の規模にほぼ比例します。

地図でみる社長輩出率都道府県別ランキング

ヒントは地図から得ました。ちなみに、トップ10は毎年あまり変わらないという。「秋田」「山形」「山梨」「福井」「島根」「広島」「香川」「徳島」「愛媛」「大分」が常連のようです。

では、まず地図でみてみましょう。

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ぱっと見、法則があるようには見えません。そこで、私が注目したのは秋田県と広島県です。

広島県は本州最南端の山口県に隣接していて、秋田県は最北端の青森県に隣接しています。そして島根県も広島県と同じく、本州最南端の山口県に隣接しています。山形県はちょっと違いますが、後ほど解説したいと思います。

次に注目したのは四国の愛媛県、香川県、徳島県です。三県共に太平洋側の高知県に隣接しています。因みに、徳島県と香川県はトップ3に入っています。

九州の大分県は、本州側にあります。これは愛媛県、香川県、徳島県にも言えることです。

ここである共通点に気づきました。それは、これらの県は本州・東京・大阪に向かって、それぞれ最後尾から二番目の県となります。

つまり、以下の図形のようになります。

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島根県・広島県は本州に位置し、東京や大阪方面に向かって、最後尾の山口県に続いて二番目の県になります。

秋田県も本州に位置し、東京に向かって、最後尾の青森県に続いて二番目の県になります。山形県はまたまた後ほどに解説いたします。

愛媛県、香川県、徳島県は四国に位置し、本州に向かって、最後尾の高知県に続いて二番目の県になります。香川県や徳島県は大阪・東京方面よりですので、トップ3にランクインしています?

大分県は九州に位置し、本州に向かって、最後尾?の熊本県に続いて二番目の県になります?ここはちょっと微妙ですが、実は九州の中で唯一海に面していない県です。

福井県は本州に位置し、大阪に向かって最後尾の石川県に続いて、二番目の県になります。大阪を基準にしたのは単に東京より大阪の方が近いからです。

残りは山梨県です。これまで説明してきた「共通点」には当てはまらない。あと山形県もそうです。

当然、これでは「法則」とは到底言えません。

地理的要因はあくまでヒントです

輩出率が低かったのは、埼玉県、千葉県、神奈川県と首都圏のベッドタウンが上位を占めました。

輩出率が低い県も実は大ヒントとなります。埼玉県、千葉県、神奈川県はなぜ社長の輩出率が低いのか?東京から近いのに。起業する条件はすべて揃っているように思えますが、しかし起業するに当たって最も大事な条件は、本人の意志なのです。

つまり、会社をおこしたいと思うかどうかです。今現在の日本では、生存率は別にして、会社を設立するのは極めて簡単で、その気にさえなれば、誰でもできるようになっています。

こうなりますと、やはり「起業したい」あるいは「社長になりたい」と思う動機が重要になってきます。

起業する人はどんな動機があるの?

起業は確かに一生雇われて生きるより自由でかっこよくて憧れてしまうかもしれません。

しかし、その反面今まで会社がやってくれていたことを全て自分でやらなくてはいけなくなり、毎月決まった額が給料が支払われることもなくなります。

さらに心休まる時もなくなり、失敗のリスクも常に付いてきて実際は会社員よりも数段に過酷な道だと言えます。そんな起業をしたいと思う人はどんな人達でしょうか。

夢がある人。するしないではなく自分の中で「やらなくちゃいけない」という使命感があって起業する人。

成功者に憧れる人。平凡な暮らしを抜け出しリスキーな世界でバリバリ輝いている成功者の生き方に憧れて起業する人。

ブラック企業に疲れた人。会社員勤めを長く経験して、ノルマや人間関係、理不尽なことにも黙って従う毎日に疲れてしまい、それを糧に起業する人。

自由に生きたい人。毎日満員電車にのって、時間を拘束されて、休みもすべて決められる。そしてそんな暮らしを定年まで繰り返すことが嫌で、自由に生きたいと起業する人。

技術がある人。会社内で人よりも成績を上げている。お店で出しているものよりも良いものが作れる。技術は全て覚えてプロのレベルに達した人。

社会で上手く働けない人。職場の人たちとのコミュニケーションが上手くとれない。雰囲気に馴染めなかったり上司に頭を下げたり媚びを売ったりすることも嫌だし、溶け込めない人。

これらの動機の共通点は、「現状に不満がある」あるいは「現状に十分満足していない」です。

法則は抽象的なものです

埼玉県・千葉県・神奈川県の社長輩出率が低い理由は、仕事のチャンスが多く、東京への通勤が可能など、不自由のない生活ができるが故に、現状に対する不満が比較的少ないからです。解釈によっては、これを「殺さず生かさず」あるいは「飼い殺し」と考えている人もいるようです。東京大学の卒業生の起業率が低いのと同じ理由です。

人間の奮起(起業)には怒り(不満)という条件が必要です。そして、怒りや不満の根源は「格差」で、いわゆる「怒り・不満」はもれなく「格差」から生まれています。

「格差」は 比較する対象が必要で、もちろんその比較対象はすべて情報です。この情報の蓄積によって、感情が形成されます。

というのは、大都市(東京や大阪など)から遠い地域では、現状に対する不満が比較的多くなります。そして、この「現状への不満」が「ハングリー精神」の元となり、「原動力」となります。その結果、会社を起こす人が増える訳です。

もちろん、起業する人が多い地域では、周囲の影響で起業する人もその分、増えます。もしかしたら、これが、起業率の高いトップ10の県は毎年あまり変わらない原因なのかもしれないです。

ここで、ひとつの疑問が生まれました。大都市から離れれば離れるほど、社長の輩出率が高いというのであれば、山口県・青森県・鹿児島県・高知県はなぜ上位に来ないのか?もっと言えば北海道・沖縄県がトップの来ないのがおかしい。

「社長輩出率の法則」の真髄

社長輩出率は大都市から遠ければ遠いほど高いというわけではありません。遠すぎると比較対象としては成り立たないからです。例えば、アフリカの誰かが成功して大お金持ちになったとしても差ほどジェラシーを感じないが、もし、それが昔の同級生の話だったら、心の底からいろいろな感情が湧き出るのです。つまり、程よい距離が必要なのです。

ですが、今回は話がちょっと違います。山口県と広島県は隣接していますので、距離的には同じと考えてもいいくらいです。ではなぜ?

山口県も高知県も青森県も同じく、大都市が比較対象となりますが、しかし、この場合は自分の県のほうが勝っているんです。大都市の情報あるいは大都市から入ってくる情報より、自分の県への誇りが上だと思っています。

世の中は情報でできているのと同じく、人間もまた情報に左右されています。その地域の歴史はもちろん、大自然も海も情報です。北海道、青森県、高知県、九州の南部、山口県、沖縄県などは非常に大自然に恵まれています。毎日海を眺めていれば「起業なんかどうでもいいわ」と思うかもしれません。

中でも特に鹿児島県、山口県や高知県は誇り高き歴史を持っていますので、むしろ商売を軽蔑しているくらいだ。

では法則というはなんなんだ?正直、一言で片付けるのは無理があります。大都市から離れすぎると感情移入し難く、やる気が起きない、僕みたいな人間が「ビルゲッツを目指す」といった感じでしょうか。近すぎると生活が便利で不満が少ない、ので、これもまたやる気が起きない。

強いて一言で言うならば「同じ条件下でのほどよい距離」ですか。距離は物理的距離ではなく、情報世界のことを言います。

これで、山形県や山梨県の謎も解けました。特に山梨県は東京に隣接しているのに、これまで話した法則だと、社長の輩出率が高くないはずですが、なぜ?東京といっても、23区が経済中心地ですので、山梨県からの距離はかなり遠く、通勤は不可能です。それに加え、八王子あたりからずっと山地が続いて、経済の発展には不向きです。だからこそ、「東京に近いのに」が最大の原動力となっているのでしょう。

ここまでは解説しましたが、実際、他にもいろいろな原因がありましょう。なんとかこの法則を利用したいものです。